筋腫の芽は、かなりたくさんの女性に潜んでいると考えられますが、この芽が大きく育って色々な症状を起こしてくる場合と、そうでない場合があります。これは、卵巣からのホルモンの働き方や、それに対する筋腫の芽自体の反応の違いによって、育ち方に差ができるのではないかと考えられます。
普通、子宮筋腫は悪性の腫瘍でないことから、とめどもなく大きくなることはほとんどありません。筋腫の芽のうち、卵巣などのホルモンに、よく反応するものだけが大きくなりやすいので、筋腫があっても、一生なんら問題なく過ごしている人も多いのです。
子宮筋腫は月経が始まる前の女性にはほとんど発生しないこと、また、月経が終わる年齢になると筋腫が小さくなることを考えあわせると、子宮筋腫の発育には月経をおこすホルモン、すなわち卵巣のホルモンが深く関ってきていることが考えられます。
筋腫が育つ環境を見ると、卵巣からのホルモンが必要であることは何となく理解できますが、子宮の筋肉の中になぜ筋腫に育つ細胞の芽が生まれてくるかは不明です。また、子宮のなかに筋腫が一個だけできることは少なく、同時にたくさんできる場合がほとんどです。
筋腫の原因として、卵巣からのホルモンの一つであるエストロゲンの関わりが考えられてきました。しかし、動物にエストロゲンを長期間、大量に与えても、実験的に子宮の筋肉の中に筋腫をつくることはできていません。このことから、既にできあがっている子宮の筋肉ホルモンを作用しても、筋腫の芽はできないのではないかと考えられます。
筋腫の発育には卵巣からのホルモン(卵巣性ステロイドホルモン)が大きな関りを持っているのではないかと考えられています。それは、次のような事実があるからです。
このように、卵巣性ステロイドホルモン、すなわちエストロゲンやプロゲステロンが筋腫の発育に都合のよい環境をつくっているものと、古くから考えられてきました。
一つの考え方として、子宮の筋肉が出来上がる前の段階も考慮しなければなりません。子宮の筋肉は、赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるときに作られ始めます。この時に、なんらかの原因によって筋腫の芽が作られる可能性が考えられます。
子宮の筋肉細胞と少し違った筋肉細胞が作られて、それが子宮のあちこちに潜んでいるのかもしれません。この、少し違った筋肉細胞が、思春期になって卵巣からホルモンが出始めるとその影響によって育ち始め、何年もの歳月をかけて少しずつ大きくなり、筋腫と診断されるのではないかと考えると、筋腫のできる仕組みが理解しやすくなります。
子宮の筋肉は、赤ちゃんを育てるために、毎月の月経周期ごとに大きくなる準備をしています。しかし、妊娠しないで月経を繰り返していると、妊娠にむけて細胞を増やす準備をしていた子宮の筋肉は、細胞増殖の準備作業を何度も途中でやめなければならない状態になります。
この、細胞が増えようとする仕組みが中途半端な状態でとめられると、細胞に異常がおこる場合があります。すなわち月経を繰り返すこと事体が、子宮の筋肉の中に筋腫の芽となる細胞を生み出す原因となるとも考えられます。
筋腫は、もともと子宮の筋肉の中にできると考えられています。それが成長してくると、筋腫の周りにある普通の筋肉が筋腫を周りから締め付けるように縮もうとします。
この過程で、筋腫全体を包みこむように子宮の筋肉が縮むため球形になり、筋腫の中の細胞は渦巻状に走っています。球形になった筋腫は周囲の筋肉に押しつけられて、場所を移動するため、筋腫が子宮の筋肉の中に留まっていれば筋層内筋腫になり、外側や内側に次第に押し出されて、漿膜や粘膜の下に移動すると、漿膜下筋腫や粘膜下筋腫になるものと考えられています。
【PR】クレジットカード