管理人がチェックする子宮筋腫情報
子宮全摘出手術か痛止めのお薬を飲むかの二つに一つの選択
子宮筋腫は、手術かホルモン治療でしか治らない病気と思われがちです。しかし、きちんと子宮筋腫を理解して、食習慣を改善し、ストレスを解消することで子宮筋腫が改善する方法があるんです。
子供の頃から生理痛がひどく、特に生理が始まって3日間ほどは、4時間おきの鎮痛剤無しでは日常生活がおくれない日々でした。いろいろと子宮筋腫の情報を集めましたが、この改善方法が一番続けられました。
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よくある質問と回答
子宮筋腫ができやすい人はいるのでしょうか?
子宮筋腫を持っている人は、女性ホルモンの働きに明らかな異常を認める事が少なく、むしろ逆に順調な月経周期を持っている傾向があります。このことからも、正常に近い卵巣機能を持っている女性に、子宮筋腫が多いと言えるかもしれません。
しかし、どのような女性に子宮筋腫が出来やすいかはわかっていません。姉妹で子宮筋腫があったり、親子で共に子宮筋腫ができやすい等の話は聞きますが、子宮筋腫の遺伝はしないと考えられ、遺伝的に子宮筋腫ができやすい家系といったものは、今までのところ報告されていません。
子宮筋腫を放置するとどうなりますか?
筋腫は、同じ子宮にできたものでも、その一つ一つが同じように成長するとは限りません。大きくなってくるもの、あまり大きくならないものなど様々です。大きいものでは数十kgに達するものもあるといわれていますが、通常は筋腫は無限に大きくなるものではありません。
しかし、悪性の子宮肉腫と筋腫とを区別する事は必ずしも容易ではなく、ここに大きな問題があります。筋腫ならば、大きくなっても生命に影響はありませんが、悪性の肉腫であれば生命に危険が及びます。筋腫の大きさと治療の必要性は一概には言えません。
婦人科等で定期的に検診を受けて、筋腫の大きさや症状の程度など、子宮筋腫の経過観察をするとともに、担当の医師と相談しながら対処していく事が必要です。
なぜ、子宮筋腫があると不妊になりやすいのでしょうか?
子宮筋腫があっても、必ずしも不妊の原因にはなりません。筋腫が有りながら妊娠し、分娩している人はたくさんいます。しかし、子宮筋腫で不妊に悩んでいる女性も少なくはありません。それは、次の様な理由から、不妊症になるのではないかと考えられています。
- 筋腫によって、子宮内膜が変形したり引き伸ばされたりして面積が増したりすると、
受精卵が着床しにくくなる。 - 突出した筋腫によって頸管や卵管が圧迫され、精子が通りにくくなる。
- 子宮の収縮は、精子が子宮内を移動するのを助けているが、筋腫があるため収縮が
十分にできなくなり、精子が輸送されにくくなる。
筋腫があると流産しやすい?
筋腫があるからといって即流産するいうわけではありませんが、筋腫には流産の原因になる要素がいくつかあります。
- 筋腫によって血管が圧迫されるため、子宮内膜が妊娠を続けるうえで有利な環境を十分に提供できず、着床卵や胎盤の栄養状態が悪くなる。
- 妊娠では卵巣性ステロイドホルモンが急に多くなるため、筋腫が急激に大きくなる事がある。そのため、しばらくすると筋腫への血液の流れが悪くなり、筋腫に栄養障害がおきて、筋腫の部分に痛みができる。これが子宮を刺激し、子宮が収縮をはじめて流産がおこる。
- 妊娠によって子宮は大きくならなければいけないが、筋腫があるため子宮が拡大しにくくなり、子宮が収縮することによって流産がおこる。
子宮摘出=「女らしさ」がなくなる?
子宮を摘出すると、「女らしさ」がなくなると考える人がいますが、「女らしさ」とはあくまでも心に由来するものであり、子宮に由来するものではありません。子宮を失ったという「喪失感」は誰でも抱く事でしょうが、手術をしたのは筋腫による貧血や、その結果おきる心臓への負担、毎日の生活での疲労感や圧迫感からの開放のためだという、プラスの意識を持つ事が大切です。
子宮筋腫はなぜ多発するの?
明確な答えはありませんが、考え方の一つとして、胎児の子宮ができあがるときに、筋腫の芽ができてくるのではないか、という考えがあります。
胎児の子宮ができあがるにはかなりの時間が必要であり、そのあいだには多くの芽ができてくるのが普通であることから、筋腫は多発してくるのではということです。
また、月経周期の中で卵巣ホルモンの働きによって子宮筋の細胞が筋腫の芽に変化する事で、筋腫が発生する可能性も考えられます。この場合は月経周期があれば、いつでも筋腫の芽ができ得ることになります。この考えからも、筋腫は常に多発してくる可能性をもっていることになります。
単発の筋腫もやがて増えるのか?
ある年齢までに筋腫が一個(単発)しかできていないとすれば、その後、数が増える心配はあまりないと考えられます。ただし、筋腫が一個しかないという診断を、どのように行うかが問題です。小さな筋腫は見逃されやすく、一個と思っていたものが、将来的には複数になることもありえます。
茎をもった形の筋腫とは?
子宮の内空側(内膜)や外側(漿膜側)に茎をもって突き出ている筋腫があります。それらを、有茎性粘膜下筋腫、有茎性漿膜下筋腫と呼びます。しかし、この茎をもった形の筋腫がどのようにしてできるのかは、現在のところ、よく分かっていません。
一つの考え方としては、子宮の筋肉の中にできた筋腫が、周囲の子宮筋にいつも押し付けられていると、筋腫が徐々に移動させられ、やがて子宮内膜側や漿膜側に突出するようになっていく、といわれています。これがさらに進むと、突出した筋腫は子宮とのあいだの栄養のやりとりを茎のような組織で行いながら、垂れ下がった形になるのだと思われます。
有茎性粘膜下と有茎性漿膜下の違い
基本的に有茎筋腫の性質は普通の筋腫と同じです。ただし、茎をもって突き出ているために、有茎性漿膜下筋腫は茎を中心にねじれることがあります(茎捻転)。
この場合、腹痛を起こします。しかし、これ以外の場合の有茎性漿膜下筋腫は、あまり症状にでることがありません。有茎性粘膜下筋腫では、子宮の中から押し出されて分娩のようなかたちになり(筋腫分娩)、陣痛のような痛みがおこります。
有茎性粘膜下筋腫の特徴
粘膜下筋腫の表面は子宮内膜で覆われていますが、この内膜は薄く引き伸ばされている事が多く、そのため潰瘍が起こりやすく、また炎症も起こりやすくなっています。
この潰瘍や炎症が粘膜下筋腫の表面に起こると、分泌物が多くなります。やや黄色みを帯びた水のような帯下(おりもの)がいつでも出ている感じになります。そして、もっと特徴的な症状は、月経の時に大量の出血を起こすことです。
これは、子宮内腔に筋腫があるので月経の時の止血が妨げられるため、と考えられています。このときの出血は、水道の蛇口をひねったときのように大量の出血を起こすことがしばしばです。
筋腫があると閉経の時期が狂いやすい?
これについては十分な統計学的な検討はされていませんが、臨床的経験から言えば、筋腫のある患者さんは閉経の時期がむしろ遅くなるようです。平均より2~3年遅れる傾向があります。
良性(筋腫)から悪性に移行するか?
子宮の平滑筋にできる筋腫のうち、良性のものを子宮筋腫というのに対し、悪性のものを子宮平滑肉腫といいます。筋腫と肉腫の関係については2つの説があります。
一つは筋腫から肉腫へ変化することはない、との考えです。この場合は、肉腫となる細胞ははじめから肉腫として発生してくる、と考えています。もう一つの説では、筋腫の中には#KN#0.1%以下の確率で悪性に変化していくものもある、といういうものです。
臨床的に急激に悪性の経過をとるものは前者の説での肉腫であり、どちらかといえば子宮や周辺の腹腔などに再発を繰り返すような悪性度の低い肉腫は、後者の説にあたるのではないか、と考えています。いずれにしても、悪性になることが絶対にないとはいえません。
月経異常のときの問診のポイントは?
月経異常で問診を受ける時に大切なことは、月経血の量(最近増えたかどうか)、出血期間(最近長くなったかどうか)、月経困難症(月経痛などが最近強くなったかどうか)、月経以外の出血があるかどうかなど、以前と比較したかたちで症状を述べるといいでしょう。
月経に関しては、記憶しているようでいて、確かでないことが多いです。最近3ヶ月くらいについて、月経の始まった日、月経の期間、不正出血のあった日、その量などをカレンダーなどに記載しておき、医師に見せるというのも良い方法です。痛みなどは、月経周期のなかでどのような時に痛みがあるのかなど、月経との関係にも注意しておくとよいでしょう。
内診の必要性
内診のとき、はじめに行う膣鏡診では、外陰や膣の様子、子宮ガンのできやすい子宮の入り口(子宮膣部)などを、まず肉眼で診て、異常があるかどうかを確かめ、同時に細胞診(がん検診)も行います。また、内診では、子宮の大きさ、硬さ、疼痛部位の存在、可動性、卵巣の腫れ、子宮や卵巣と膀胱、直腸などの関係など、非常に多くの情報を得る事ができます。
ですから、内診は、婦人科では不可欠な診察法といえます。医師は、内診所見がなければ、責任をもって患者さんの状態を見極めることは出来ないといっても過言ではないででしょう。
子宮筋腫のときに飲んではいけない薬
子宮筋腫の大きさというのは、女性ホルモンによって変化するといわれています。そのため、女性ホルモンを含んだ薬は基本的には使用しないほうがいいでしょう。
ピルには何種類かありますが、現在、主に使用されているものは、低量のエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンを含んだ物になります。なお、実際に、ピルを使っている間に筋腫が大きくなったという症例が確認されています。
手術費と保健の適用
子宮筋腫の核出手術は、一般に保健適用になります。入院費用に関しては、手術前の検査を外来で行なうか入院して行なうか、画像検査や合併症に対する精密検査がどの程度まで必要か、施設によって給食などの費用がいくらかかるか、などの違いがあり、一概に言えません。
一般的な検査、処置料、基本料金、手術・麻酔費用などを考慮した場合、50万~60万円台くらいでしょうか。ここに給食費や投薬料、そのほかの検査費用が加わります。患者さんは、この合計の何割かを保健の種類に応じて自己負担することになります。